世界の秘密と世界的建築家妹島和世さんと水落町の山本さん
2025.09.14
あいつは書くだろうと思われているでしょうが自分は書きます!書かずにいられません!世界的な建築家で建築界のノーベル賞と言われているプリツカー賞を受賞している妹島和世さんがうちの施工している現場に突然やってきました。自分の担当している現場ではないのですが、前日に現場を確認したところどうするか迷う箇所があり、明日また職人さんに直接言いますと言って帰ったのでかなり忙しい日だったのですが、合間を縫って今立の現場に行きました。すると松倉君が自分に、「もう少しすると妹島和世さんが来るみたいです」と教えてくれました。最初「えっ?」となっていきなりすぎて、ただただ「なぜ?」ばかりになりました。あまりいきさつは分からないのですが、ものづくりの地域を視察するということみたいで、越前市さんと同行して紙すきの作業所を見て、次はこの現場に来るということでした。
お施主さまは知っていたみたいで、自分が「前もって教えて欲しかったです!そしたらもっと現場も整理整頓で綺麗にしておいたのに...泣」といって整理を始めましたが、どこまでオープンにしていいか分からなかったみたいで、言われてみると確かに難しいのだろうなと思いました。それに本当に来るかお客様も半信半疑だったみたいです。少し時間はおして、自分は他の現場に戻らないといけない時間だったので、「自分お会いしたいのですが行きます」とやせ我慢して、本当にそれでいいのか水上達也と頭の中で言いながら、かっこつけて帰ろうとしたのですが、一番の目的の職人さんに取り付け方を言うのを忘れてたと、職人さんにあーでもないこーでもないと話をしていたらやってきました。妹島さんです!妹島和世さんです!自分が家を建てた20年前くらいに一世を風靡した妹島さんです。ブルータスカーサをはじめ、おしゃれな雑誌にはいつも妹島さんが取り上げられ、つくるものすべてが今まで無かった軽やかさと透明感があり、大きな作品も小さな作品も本当に本当に素敵で刺激的でした。それからまぎれもなく妹島さんを中心に建築界は変わっていきました。今、目の前に妹島さんがいると思ったら、急にいろんなことが思い出されてきて、あーしゃべりたい、声を聴きたいと思ってしまいました。
特に建築に詳しそうな方が妹島さん側以外はいなさそうで、当たり障りのない感じだったので割り込んで前に行きました。アテンドされていた紙漉きの職人さんに妹島さんが「和紙クロスはメンテナンスはどうなの?汚れやすそうだけど」聞いたら「和紙クロスも一般的流通していますので拭けるし張替えが可能です」と答えていました。その方が先に部屋を出ていかれたのを見て「ビニルクロスとは全然違いますので、改良はされていますが汚れやすいのは事実だと思います。あと昔和紙クロスが流行った時ほどはがれやすかったり、のりが浮いたりというのは無くなりましたが通常のビニルクロスに比べるとメンテナンス性は悪いです。ただそれ以上に風合いがとても素敵です。妹島さんはクロスを使用しますか?あまり使用されないイメージですが。」妹島さん「クロスは使いますよ♪ねえ山本君」そうでした。当時弟に住宅で白塗りの塗装は割れるし、クロスは?と聞いたら妹島さんが使っているクロスは薄くて貼っているのかわからないくらいと教えてもらったのを思い出しました。「妹島さんの納まりでは考えれれないかもしれませんが、和紙は突きつけも出来ますが通常重ね貼りで納めます。襟を重ねるような納まりが和のしつらえと似ていると思います。この納め方簡単なようで難しく、和紙クロスを張れる職人も限られます」素晴らしくもっともらしいことをどや顔で妹島さんの1m付近で言い切りました!偉い。大して詳しく知らないのによくそんな言葉が出てきたなと自分で自分を褒めたくなりました。妹島さんもなるほどなるほどと思った顔をしているように自分は感じました。もしかしたらなんだこいつはと思っていたのかも知れませんが...
とにかく爪痕を残したい自分は、妹島さんの設計パートナーの山本さんが同行されているということを直前にお聞きして、スマホで山本さんについて事前に調べておきました。山本さんとにかくすごい人なんです。「山本さん鯖江出身なんですね。自分も鯖江です♪」山本さん「えっ、そうなんですか!自分は水落です」そうです。鯖江で山本さんと言えば水落町。水落町と言えば山本さんというくらい山本さんだらけの町内です。言いすぎでしょうか(笑)「水落と言えば山本さんですもんね。これからですが現在水落でも住宅の工事をお請けしています。」そこからは地元トークで話が弾みました。でかした自分!こんなにいい日になった!もうそこからは山本さんとも名刺交換♪念願の妹島さんとも名刺交換♪あー嬉し。めちゃくちゃ嬉しー♪
プリツカー賞がどうとかじゃなく本当に妹島さんの作品大好きでした。もちろん今も好きですが、今は世界的になりすぎて遠くになりすぎてというかなんというか。金沢21世紀美術館の完成レセプションに弟が行ったと聞いた時はめちゃくちゃ羨ましかったし、現在までに21世紀美術館40回以上は行ってます。もっと行ってるかも。妹島さんの作品の中でも表参道のディオールは今でもとても好きです。現在でも色あせない透明感。SANAAのEl Croquis(書籍)は本当に素敵で購入して何度も何度も読みました。実際に見た建物はいくつかだけどネットや書籍で見た中で一番好きな建物が「小さな家」です。
同行されていた洗練された所員の方に、「働き方改革や定時ってあるんですか(笑)?」ってお聞きしたら「あるとは思います(笑)」以前からお聞きしてる通り寝ない事務所、休まない事務所なのでしょう。今は知りませんが、昔からとにかく激務の事務所という印象です。20年ほど前、うちの家の竣工写真をお願いした東京のカメラマンさんも元妹島事務所の所員だったという方で、とにかく激務の話をされていました。正月盆も夜も昼も関係ないというのを今でも覚えています。ただ口調も厳しいし、言うこともきついけど、時折見せる妹島さんの笑顔がめちゃくちゃかわいいんですよと言っていました。今回お会いしてまさにそんな感じでした。気配りも出来て笑顔も素敵で、所員の方々も水落の山本さんもみんな素敵な笑顔でした♪だからクライアントも引き付けられるし、所員もついてくるんですよね。
とにかく一度お会いしたいと思っていたけど会えるとは思っていなかったことが突然起こって舞い上がった気持ちを2週間ほど落ち着かせてから書いています。本当に良かった。帰らなくて。よくやった水上達也。一生の思い出です。現場に来たことを書いていいのか分かりませんが、すべて秘密ってわけでもないと思いますので自分は堂々と書きます!ありがとうございます!
妹島さんあさイチにも出てましたね。ちゃんと録画しておきました。
ちなみに妹島さんにお会いする1週間前にもすごい人に奇跡的に間近で会っているんです!ただプライベートでお会いしたとかではありません(笑)公式にアップされた写真にもうっすら自分も写っています(自分しか分からない程度)。誰かは言えないのでそれは世界の秘密です♪