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写真は2008年11月末オープンの日の朝です。※理容師さんはご主人さんです(笑)。素敵なご夫婦で、今でもうらやましいなと思います。堀さん若いですね♪自分も若かったんだと思いますが...
当時会社としては設立30年近く経っていましたが、自分はデザインに特化した建築で会社を変えたいと思っていました。そんな時、自分のところにメールが届いたのが2007年の10月でした。事前に堀さんの奥さんから電話で問い合わせがありましたが、不慣れな自分の対応がとてもいいとは言えず、それでも面識のない弊社にご相談いただいたことにとても感謝しています。実績がさほどない弟と現場監督として未熟な自分たちにとって、とても誠実なご夫婦にどんどんと惹かれていきました。今でも自分たちとして精一杯以上の仕事をしたと思っています。ご主人は独立されて不安もあるようでしたが、現在休日は予約でいっぱいで、いつ通っても車がありたくさんの常連さんがいらっしゃいます。
昨日堀さんとお話しした際に、自分もいろいろ10年前の気持ちがよみがえってきてまた頑張ろうという気持ちになりました。書きたいことがたくさんありすぎて全然まとまりません。すみません。

ただただ10周年おめでとうございます!

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今週月曜正午頃、昼食を取りに事務所を出ると長身で白人の女性が近くの田舎道を歩いているのを見かけました。
アジア系以外の外人さんがいるのを滅多にというか記憶にないほど見たことが無いので、チラチラ見ながら通り過ぎましたが、その後しばらくして事務所にいる母から「イタリア人の方が来てどうしたらいいかわからない」と電話がありました。すぐにさっきの人のことかなって思い、事務所に戻ると素敵な女性が笑顔で迎えてくれました。

自分はとにかく英語がダメで、こんな状況があるなんて夢にも思っていなかったので、翻訳アプリもすぐに出せず、彼女の携帯で翻訳しながらなんとか会話をしました。
ちなみに母は「ランチタイム!」と言って帰ってしまいました。

彼女の要件は
・設計士であり、今後ボーイフレンドの関係で鯖江に住むので働くところを探している。
・水上建設で一緒に仕事がしたい。
・イタリアのサイトに紹介されていた鯖江の物件をみてここにきた。
自分の結論は
・ここではあなたが望むような設計はしていない。意匠的な設計は千葉にいる弟に頼んでいる。
・英語が出来ないので一緒に仕事が出来ない。

言葉が通じないってただただもどかしい。辛い...。たくさん話したいことがあるのに伝えられない。

水上「せっかく来ていただいたのにご希望に添えなくてごめんなさい。」
彼女「何か私にできることはありませんか。」
水上「あなたにお願い出来るような仕事はありません。ごめんなさい。」
彼女「ここには仕事が無いのですか」
水上「たくさんあるのですが、汚くてつらい仕事がほとんどで・・・(汗) ごめんなさい。」

(沈黙の後)・・・彼女が会社に掲示してある施工物件を見て、
彼女「ビューティフル♪」
それから施工物件のアルバムをいくつか見せると、
彼女「このデザインがとても好きです。このアルバムをもらってもいいですか?」
水上「これはお客さんにお見せするもので、何年かまえに形式が変わって増刷できないので特別な一冊なのです。あげれません。ごめんなさい。」
彼女 がっくり・・・
水上「近くに施工物件がいくつかあるので一緒に見に行きますか♪」
彼女「はい♪」

彼女のボーイフレンドはメガネのデザイナーでイタリア人であるということや、現在はホテルに滞在していてホテルから徒歩でうちの会社まで道に迷いながら来てくれたことを聞きました。その後ホテルに送っていくと連絡先を教えてくれました。ちょっとがっかりした感じで「またね♪」って日本語で言ってくれたのがすごく申し訳なくて、何とかしてあげたいって思いました。


帰宅後、うちの奥さんにその日の出来事を話すと、「ちびまる子ちゃんの話みたい。非現実的すぎる♪せっかく来てくれたんだからアルバムくらいあげればよかったのに。」って言われて「確かに...」。翌日早速メールで連絡して午後6時に会うことに。一人ではあたふたするので妻を連れていろいろ質問もしました。アルバムはすごく喜んでくれてよかったなあと。それから設計の仕事ができるように自分もいくつか聞いてみますと伝えると「お願いします」と日本語で言っていました。

たくさん汗もかいて、しないといけないことが出来ず、余計に仕事も溜まってしまったけど本当に素敵な体験でした。
来年の1月にまた日本に戻ってきます。
誰か設計事務所の方、彼女を雇ってあげてください!
ぜひよろしくお願いします。